@ シックハウスとは?
家(住宅)が、住んでいる人を病気(シックハウス症候群)にしてしまうのがシックハウスです。
シックハウス症候群の症状は人によって様々で、個人差が大きいのが特徴です。めまいや頭痛、目がチカチカしたり、下痢や便秘・・・・・などなど、症状は頭や目、鼻、のど、おなかのほか、全身症状もあります。
主な原因は、家の中の化学物質です。建材や接着剤、壁紙、塗料、家具、防虫剤など、家の中にはいろいろな化学物質が使われています。そのほか、カビやダニなども原因になります。この原因がだんだんと体内に蓄積されます

A シックハウスの原因はどこにあるのでしょう?
合板・パーティクルボード・MDF(ホルムアルデヒド)
複合フローリング(ホルムアルデヒド)
現場施工用木材保存剤(殺虫剤)
防蟻剤(殺虫剤)
断熱材(ホルムアルデヒド)
ビニル壁紙(ホルムアルデヒド・可塑剤)
接着剤(ホルムアルデヒド・トルエン・キシレン・可塑剤)
防虫畳(殺虫剤)
塗料(トルエン・キシレン)
防虫剤(パラジクロロベンゼン)
- 厚生労働省より以下のような室内濃度指針値が提案されています。
ホルムアルデヒド(用途:接着剤、防腐剤) |
100μg/m3(25℃では0.08ppm) |
トルエン(用途:主に溶剤) |
260μg/m3(25℃では0.07ppm) |
キシレン(用途:主に溶剤) |
870μg/m3(25℃では0.20ppm) |
パラジクロロベンゼン(用途:防虫剤) |
240μg/m3(25℃では0.04ppm) |
エチルベンゼン(用途:主にラッカー、溶剤) |
3800μg/m3(25℃では0.88ppm) |
スチレン(用途:樹脂や合成ゴムの原材料) |
220μg/m3(25℃では0.05ppm) |
クロルピリホス(用途:殺虫剤) |
1μg/m3(25℃では0.07ppb)
ただし小児の場合はその1/10 |
フタル酸ジ-n-ブチル(用途:可塑剤) |
220μg/m3(25℃では0.02ppm) |
- B 家を建てる前の対策 〜その1〜
換気しやすい構造にしましょう
- ●風が抜けるような窓の配置を考えましょう
- 風が通り抜けるには、向かい合わせに吸気用と排気用の2つの窓が必要です。窓と窓は離れている方が換気の効率が上がるので、高さをずらしたり対角線に配置するなど工夫しましょう。
- ●窓やドアの形を工夫しましょう
- 室内のドアはアンダーカットにしたり、ガラリをつければ廊下を介して家の中で風の流れを作れます。
- ●垂直方向の風の流れも考えましょう
- 暖かい空気は上昇します。水平だけでなく垂直方向の風の流れも考えましょう。吹き抜けや階段は風の通り道になります。
- ●必要に応じて機械換気を設けましょう
- 高気密住宅では、家全体を24時間換気するものも増えてきました。家の構造や気密性に応じて必要な機械換気を設けましょう。熱交換(室内の温度を保つ)機能のある換気扇もあります。
- C 家を建てる前の対策 〜その2〜
- 家の材料を選びましょう
- ●合板・ボード類・複合フローリング
- これらは単板、木小片または木繊維などを接着剤で張り合わせてつくるため、接着剤に含まれているホルムアルデヒドが放散されます。家の中では使われる場所が特に多い材料なので十分な検討が必要です。ホルムアルデヒド放散量については、次のような等級が定められています。
- ●合板・複合フローリングの規格(日本農林規格 JAS)
表示区分 |
ホルムアルデヒド放散量(平均値) |
ホルムアルデヒド放散量(最大値) |
Fco |
0.5mg/l以下 |
0.7mg/l以下 |
Fc1 |
1.5mg/l以下 |
2.1mg/l以下 |
Fc2 |
5.0mg/l以下 |
7.0mg/l以下 |
- ● MDF・パーティクルボードの規格(日本工業規格 JIS)
-
表示区分 |
ホルムアルデヒド放出量 |
Eo |
0.5mg/l以下 |
E1 |
1.5mg/l以下 |
E2 |
5.0mg/l以下 |
- ●壁紙や接着剤についても、メーカーに問い合わせをして成分を確認し、用いる場所などを考慮しながら適切なものを選びましょう。
- D 家を建てた後の対策 〜その1〜
- 今ある設備を効果的に利用して換気しましょう
- ●換気扇を効果的に使いましょう
- 換気扇をまわしただけでは家の中の空気はあまり入れかわりません。効率良く換気するためには新しく家に入る空気が必要なのです。これは窓の場合も同じです。ふたつ以上の窓を開けると風の入口と出口ができるので風が流れます。
- ●壁にある換気口を家具などでふさいでいませんか?
- 換気口はできるだけ開放状態にしておきましょう。
- ●こまめな換気を心掛けましょう
- 家の完成から入居までの期間は余裕をもち、その間にできるだけ窓を開けて換気をしましょう。その際、造り付けの家具やシステムキッチンの扉、押入れなどを開放することも忘れないようにしましょう。旅行などで長期間家を閉め切ったときも、十分に換気しましょう。
化学物質の放散量は、気温が高くなると増えます。電気ストーブなどで一時的に部屋を暖めて化学物質をたくさん放散させてから換気する(ベイクアウト)と効果的です。
夏は直射日光で屋根や壁が暖められていますので、室内を冷房していても、ときどき空気の入れ替えを行ないましょう。
- D 家を建てた後の対策 〜その2〜
- こんなところにも気をつけましょう
- ●家具
- 家具には住宅と同じように合板やパーティクルボード、MDF、さらに接着剤や塗料が使われているののがたくさんあります。使われている材料をメーカー等に確認して、化学物質の少ないものを選びましょう。
- ●タバコ
- タバコの煙りには一酸化炭素やホルムアルデヒドなどが含まれています。できるだけ分煙しましょう。
- ●暖房・調理
- 石油ストーブや石油ファンヒーター等の室内排気型の暖房機具から出る排気には、炭酸ガスや一酸化炭素、二酸化窒素のほかにホルムアルデヒドも含まれています。このような機具を使う場合は、1時間に一回は窓を開けて換気しましょう。室外排気型の暖房機具は、室内の空気を汚さないのでおすすめです。
- ガスコンロなどの調理器具からも有害ガスが発生します。また、調理では水蒸気もたくさん発生するため湿度が高くなります。調理中は常に換気するのが望ましいです。
- ●ダニ・カビ
- 結露や換気不足などで家が湿っぽくなると、カビが発生したりダニが増えたりします。カビの胞子やダニのフン、死がいが原因でアレルギー症状を起こすことがあります。部屋に湿度計を置いて、日頃から湿度に気をつけ、通風や換気を心掛けましょう。
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