[熊本県八代郡 産地問屋&いぐさ農家視察 2003/02/21〜22]



[肥後物産株式会社 倉庫内にて]
肥後物産株式会社にて、畳表の出荷準備をする倉庫の模様です。
出荷のための畳表が 梱包待ちの状態でズラリ並んでおります。
こちらは、入札で取った畳表を一時保管する倉庫です。
ひと山 ひと山が生産者ごとに分けられております。 黒やグレーのビニールは 光と湿度の遮断の為にかぶせてあるそうです。
畳表を決められた長さにカットする機械です。
セットだけすればあとは機械がカットしてくれます。 このときに畳表の検品も合わせて行います。
カットされた畳表の端から イグサが抜け落ちないように小さな機械で止めます。
この機械で止めます。 ただ、麻糸を使用している物のみ有効です。
綿糸のみの場合は絡まらないので、ノリで止めます。
通常は折り重ねて包むのですが、卸先(納入先)によっては 丸めることもあるそうです。

 折り重ねることの利点は、保管時に畳表に「こし」が出てしっかりしてきます。しかし、折り曲げたところが筋として残りやすい欠点があります。 
 丸めることの利点は、折り曲げの筋が残りませんが 畳表の耐久性の関わる「こし」が出にくい欠点があります。
これは、倉庫の裏に打ち捨てられたようになっている「着色した畳表を乾燥させる機械」だそうです。 
肥後物産では熊本で珍いくらいに 全く使わなくなったので、もうサビサビです。(これは良いことですね。天然のイグサ畳表にわざわざ色を付ける意味がわかりません。。。)
パソコンが1台見えますが、肥後物産では全てのパソコンが繋がっていて、ここで仕入れてきた畳表を「生産者、重量、長さ、枚数、織り具合、イグサの質など」すべてランク付けしてパソコンに入力し、その情報がどのパソコンでも引き出せることで事務処理の効率化を図っております。
こちらは 出荷のための倉庫にあるパソコンです。
 ここで、何万枚もある畳表から 問い合わせのあった畳表をすぐに見つけどこに保管されてあるか瞬時にわかるようになっております。  
 凄いです。


[畳表の生産農家(栽培〜製織) 豊本新一さん(左)]
左側の方は 熊本でもいぐさ栽培に関してはトップクラスの技術と経験を持っている「豊本新一さん」です。 非常にこだわりのあるイグサを栽培し独特な風合いのある畳表を生産しております。栽培品種は 「せとなみ」です。
畳表を織っている作業場です。 機械が4台ほど置いてあります。
こちらは 高級品の「麻二本芯(麻ダフル)」を織る機械です。
こちらは 手頃な畳表の「糸引き表」を織る機械です。 この機械は 綿糸専用に改造された珍しいタイプです。
 また、豊本さんの機械には 重量を調節する方法として手動にこだわられて、天気などその日の気候で微調整しております。 普通の農家さんでは全てコンピュータ制御ですので、ここでも違いが出ております。
機械で織り上げた畳表は 天日で乾燥させます。
豊本さんのお宅では 自家製ボカシ肥料を使用しております。 
自家製の肥料を使用する農家さんも少ないです。


[愛畳表や中継ぎ表タペストリーで有名な 岡 初義さん(右側)]
「すっぴん愛畳表や中継ぎ表タペストリー」で有名な岡さんです。 岡さんのところでは非常に規模の大きないぐさ栽培をされておりまして、豊本さんの数十倍の量の自家製ボカシ肥料を作り、丈夫で健康的なイグサ栽培をされております。 また、とにかく物知りで新しい事に挑戦していくことの好きな方です。


[八代市内にて]
八代市に 移住してきた 
「カッパ」です。
 カッパが住むほど綺麗な水が流れているのでしょうね。


[いつも丁寧な仕上がりの 西 勇さん(中央)]
中央の方が西勇さんです。左側に息子さんの吉行さんです。 
農家としてはごく一般的な栽培を行っている農家といわれておりますが、私が西さんの織られた畳表を使用した感想としては非常に丁寧な織り上げと仕上げをしている方だと思いました。 
 父親の勇さんの経験と技術、息子の吉行さんの新しい知識のコラボレーションによって出来た畳表、これからに期待できますね。
織り機の裏側です。 もうすぐ糸が無くなりそうです。。。 使用機械は四台です。「在来品種いぐさ」の畳表と「ひのみどりいぐさ」の畳表を織られております。
イグサの長さを選別する機械です。 
この選別で製品にならないような短いイグサは「上敷きゴザ」などに加工するために加工業者に売るそうです。(あまりお金にはならないそうで・・・)
選別したイグサを黒いビニール袋に入れて 暗い部屋に保管しておきます。(写真はフラッシュたいたので明るいです。)
イグサの品質を維持するために欠かせない泥染めするための染土です。
西さんのところの イグサ田んぼです。
栽培品種は ひのみどりと在来品種を栽培しております。
西さんのところの イグサ田んぼです。 
右の方に見える白いビニールハウスは トマトです。 いぐさ栽培をやめて、トマトやイチゴなどその他の作物に転向する農家は年々増える傾向にあります。 また、良いイグサがとれていた地域にも住宅がどんどん増えて来ていました。
イグサを泥染めするときに 染土と水との割合を計る 「濃度計」です。
西さんチのペットです。 知らない人が近づくと、逃げていきます。。。


[イグサの神様]

イグサの神様がまつられている「岩崎神社」です。 昔の城跡にあります。


[減農薬栽培の野原一憲さん(中央)&奥さん]
野原一憲さんです。 奥さんと二人で頑張っておりました。 とっても元気な方で、以前農薬で倒れた方とは思えないような方です。
イグサを一本一本手作業で 奥さんがチェックしております。 普通の農家さんではなかなか出来ないことのようです。 
近年この作業が非常に大変になって、イグサ1本1本の品質がある程度一定している「ひのみどり草」に栽培を替えたそうです。 
 野原さんのような経験の豊富な方が栽培するので イグサの草質が非常に安定していて、バラツキがほとんどありません。
イグサの選別段階は 7段階に選別して織り上げるそうです。 全て「五八サイズ(関東間サイズ)」で織っているそうです。
 左から@賃貸向け、A公団住宅・建て売り向け、BCD一般住宅上高級品、E特選品、F最特選品
麻と綿の二本糸を使用して織っている機械です。
野原さんの畳表も 他の生産者のひのみどり表とは違い、しっかりした重みのある感じに仕上がっておりますし、香りが非常に柔らかい感じがしています。 これだけ柔らかい香りの畳表はなかなか少ないです。
野原さんの自宅裏にある イグサ田んぼです。 この他にも数カ所 栽培しているそうです。
田植えから 2月22日現在までに 農薬はまだ1回しか使用していないとのことです。
一般の農家ではすでに3回は農薬を散布するそうです。
野原さんのようなお年の方で、ここまで減農薬に拘られることは非常に体力的にも大変なことだと思います。

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協力者:熊木畳本店